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TOMAS RIEHLE
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TOMAS RIEHLE

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Tomas Riehle (1949-2017)

 

ドイツのケルンを拠点に活動をしてきた写真家トーマス・リーレ。建築写真の世界の中、独自の視点での撮影を表現してきた作家である。彼の作品の特徴として、幾何学的で平面的な画面構成があげられ、独特な平面的表現を支えるために光と影の陰影を効果的に操り、計算された構図を写真の中に世界観として実現させている。

もともとドイツ・エッセンの専門学校で写真の技法を学んだが、建築家の父親の影響もあり、後にデュッセルドルフクンストアカデミー(ゲイジュル大学)で、彫刻家エルヴィン・ヘーリヒのクラスへと進路を進めた。

 

リーレは当初から単なる記録としての写真ではなく、芸術作品としての存在価値を写真作品に求めていたと言われている。それ故にアートを学ぶ必要性を彼自身は感じており、彫刻家ヘーリヒの芸術哲学と彼の繊細な作業の技術に触れることが、リーレの写真的哲学にとっては大切だったのだ。

彼が切り取る写真からは緻密的な美しさを感じることができ、彼の写真に対する姿勢がそのクオリティを生み出している。対象物である建築物や建造物が1番美しく姿を現す“時”を待ち続け、その先に垣間見れる鮮鋭的美しさを写し出しているのだ。「ほとんどが冬だった」とリーレはコメントしており、そのわずかな“瞬間”と巡り合わせられるのは、理想的な光のコンディションが揃う季節の冬だったと彼は語る。 

リーレが頭角を見せはじめるきっかけとして、在学中の76年に大学構内の階段を撮った作品『Lichträume』があげられる。そこから彼の写真家としてのキャリアを歩み出し、翌年にはデュッセルドルフの画廊アルフレッド・シュメーラにてはじめての個展を行った。

 

また80年のパリへの留学を筆頭に、ヨーロッパを中心とした数多くの建築写真を積み重ねていく。特にその中でリーレの写真表現と見事に適合したのが、近代建築の三大巨匠として建築史に名を馳せるMies van der Rohe建築であり、その写真を撮影した際に残された多くのメモ書きが、当時リーレが抱いた印象を物語っている。

 

インゼル・ホンブロイヒ美術館に建てられた11の建造物は、彫刻家エルヴィン・ヘーリヒの彫刻をスケールアップしたもので、“中に入れる彫刻”と言われており、それらの写真を建築当初の85年からリーレは撮りはじめた。彼が捉えた写真からは、ヘーリヒの核心的なコンセプトを的確に表現しており、それらの写真群は『Erwin Heerich auf der Insel』として出版された。

 

橋のシリーズはライン河沿いをリーレが旅した際に撮り続けた写真群であり、彼のライフワークとして30年以上かけて完成された作品。スイスの山奥の小さな坂の橋からはじまり、近代建築でもあるオランダロッテルダムのエラスムス橋に至るまでの長期的な旅の集大成として、写真集『Rheinbrücken』が出版されている。

 

  

 Tomas Riehle (1949-2017) 

ドイツ・ケルンに拠点を置く写真家。建築やスカルプチャー等の被写体をメインとし、ドイツ中のミュージアムや建築会社、その他にも数多くのクライアントとの功績を残す。幾何学と均整美が顕著な特徴としてあげられ、建物としての機能美のみを強調するのではなく、被写体の審美的な要素を切り取り写真に昇華させている。彼自身、建築学的な構造から距離をとり、繊細な光の操作やアートとしての被写体の捉え方で表現している。